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5/27/2022 9:30:00

Case60.冷たい数学

eyecatch
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 普段はほとんどテレビを見ないが、先日たまたまテレビを見ていると、森岡毅さんという方と林修先生の対談がやっていた。森岡毅さんという方をそのとき初めて知ったのだが、USJや倒産寸前のホテルを立て直したりといった凄腕のマーケターと呼ばれる業界の人のようだった。その際の話がとても勉強になり、受験生が目下直面している受験勉強だけでなく、その後の人生にも役立つ考え方になるのではないかと考えたため、今回記事にしてみようと思う。

 数学は冷たい学問である。数学は、その緻密な論理と数式の展開で相手を納得させる学問であり、その議論を行う際に感情論を持ち出すことはできない。ある仮説を立てたならば、その仮説を検証する際にあくまで秩序立てて数学的に検討することが必要なのである。

 物事を深く考えるときは数学の考え方や論証の組み立て方が非常に大切である。ただし、はじめに言っておきたいことは数学が得意だとか苦手だとか、偏差値が70だとか50だとかそういうことが問題なのではなく、数学的に考え続ける粘り強い思考力があるかどうか、それが大切だということである。

 ある問題にぶち当たったとき、その問題の根源は何であるのかを紐解き、その解決策を解決すべき順番で解決していく。言われてみれば当たり前のことだが、この当たり前のことを当たり前のように行うのはかなり難しい。多くの場合で、そもそもの問題認識のエラー、その解決プロセスにおける論理の飛躍などの問題を抱えてしまうことがあるからである。本来であればそこでもう一度秩序立てて検討すべきであるのだが、粘り強く思考する訓練が十分でない場合は、思考することそのものを放棄してしまう。結果、解決すべき問題を解決できず、問題の前に挫折する。

 この考え方は受験勉強レベルではなく、その後の人生においても大いに応用の利く考え方であり、一度身につけば人生の武器になる。はじめから完璧にストーリーが見えていて、はじめからその解決策も完璧に組み立てられれば120点満点であるが、そんなことはまずありえない。たいていは、初期に組み立てた解法ストーリーで行けるところまで行き、何か障壁にぶち当たったらそこで再度思考し直す、そしてもし最初の問題認識のエラーがあれば早い段階で問題認識を改め仮説そのものを再提起する、ということが一般的だと思う。

 もし今現在何かの壁にぶち当たってなかなかクリアできない状態にいるならば、その問題の根源を見直し、そもそもその問題認識の仕方で正しいのかどうか、正しいならばその解決策を秩序立てて行えているのかどうかを再検討しよう。よくよく考えてみると論理の破綻が起きている場合が多々あり、そういったことを認識していない・認識できていない場合は取り返しのつかない致命傷になる可能性があるからだ。今この時期だからこそ、自身で再検討を行い、必要に応じて周囲に適切なアドバイスを求め、自分では気付いていなかった問題点を再認識することも重要なことかもしれない。

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