「今日は頑張ったから残りは明日やろう」、夏休みの毎日の中でこのように考えてしまった受験生も多いのではないだろうか。日々の努力を労うことは重要だが、それを理由(甘え)に自分の歩みを止めてしまってはないだろうか?
まず皆さんが知らなければならない基本情報として、第一志望に合格する人は「今日できることを明日行う人」ではない。「今日できることを今日やった人」でも遅いくらいで「今日できることは昨日済ませている人」である。それくらいのpassion(情熱)を持って前向きに取り組む姿勢がなければ、いわゆる医学部・難関大の合格ラインに達するのは難しいだろう。これまでに医学部や難関大に実際に合格していった人は例外なくこのpassionを持っていた人たちである。
世の中には天才と呼ばれる人たちが存在し、その彼らですら人並み以上の努力を積み重ねているのが現実である。残念ながら世の中の99.9%が凡人であり、その天才に及ばない凡人が彼ら以上に工夫し努力しないでどうして彼らと同等かそれ以上の結果を残すことができるだろうか。そしてここに朗報として、医学部・難関大に合格した人のほとんどがいわゆる天才ではなく、凡人だが天才以上に血反吐を吐きながら努力した結果として自ら結果を掴み取った人種であることも強調しておきたい。
明日やろうを3回繰り返すと3日分遅れ、7回繰り返すと1週間の遅れになり、気が付くと1ヶ月、2ヶ月と【塵も積もれば山となる】とはまさにこのことである。人間どこかで休養が必要なのは否定しようのない事実であるが、それは人生という長い目で見たときに決して大学受験を迎えている今のタイミングではない。大学受験が終わって10年以上経った現在から過去を振り返り、「もっと勉強すればよかった」と感じてしまうのもこのような実体験からくるものだろう。
さて、この「明日やろう」という考えの何が一番怖いのか、それはこの「明日やろう」という考えに慣れ親しんでしまうと、それが習慣化しそのマインドが自分の常識となることである。つまり、受験的には典型的な「落ちる人の思考」になってしまうことである。常勝軍団は「今日できることは昨日のうちにやっておこう」と考えるのに対し、常敗軍団は「明日やろう」と考える癖がついている。習慣とは恐ろしいもので一度体に染み付いてしまうとなかなか脱却できない。皆さんも経験があるのではなかろうか。
若いうちならばこのような習慣が身についてしまっても、大人になってから脱却するよりはるかに改善しやすい。だからこそ、まさに今日この瞬間から常勝軍団の思考を自分のものにしてほしいと思う。まだ取り返しのつくこのタイミングに、自分の弱さとどう向き合って行動していくか、そこが今後の飛躍的な成長のキーポイントかもしれない。