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8/22/2025 9:30:00

Case225.最後は体力——受験生に必要な“見えない資産”

eyecatch
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受験における成功要因として、学力や戦略が語られることが多い。それはもちろん正しい。しかし、現場を見れば見るほど、学力や戦略同様に合否を分けるものの一つとして“体力”も非常に重要だと感じる。

誰よりも多くの知識を持ち、誰よりも高い学力を有していた受験生が、試験本番で力を発揮できずに終わる。その一方で、学力は必ずしも十分とは言えないものの、地道にコンディションを整え続けた受験生が、最後に爆発的な力を本番で出す。多くの受験生を見ていると、このようなケースが一定数存在する。ここには単純な学力だけではなく、『体力』という概念がある。

受験は瞬発力の勝負ではない。半年、1年、あるいは2〜3年、それ以上の年月という長期にわたる持久戦である。学習の蓄積に加え、気力・体力・環境調整のすべてを求められる戦いだ。特に受験期には、数日連続の試験日程、暑さや寒さによる体調不良、緊張による睡眠不足、疲労の蓄積による思考力の低下など、こうした要素は直接的な学力とは無関係に誰しもに発生し得る。つまり、受験とは単純な学力だけで勝負するものではなく、これら要素への対処を含めたすべての調整力を求められている競争である。

脳の働きは身体の状態に大きく左右される。寝不足、栄養不足、運動不足、これらはいずれも学習効率を下げる。逆に、適度な運動と規則的な生活は、集中力・記憶力・判断力を安定させ、学習のパフォーマンスを上げる。『生活習慣そのものが受験対策である』と認識した上で、受験勉強とは机に向かう時間だけではなく、心身を整える時間まで含めた“総合戦”なのだ。

よって、試験直前に伸びる受験生の多くは、『余力』を持っている。例えば、睡眠が安定している、食事が乱れていない、疲労が蓄積していない、気持ちの切り替えができるなど、これらはすべて、“体力”の副産物である。そしてこの体力こそが、直前期の伸びや本番での安定感を左右するのだ。

もちろん、体力だけで合格はできない。だが、「勉強だけしていれば大丈夫」という考えも危うい。ベストな成果を出すには、知的な準備と身体的な準備を並行して整える必要がある。朝起きる時間は一定か?、夜更かしが習慣になっていないか?、食事の栄養バランスは崩れていないか?、適度な運動をしているか?など、体力とは『見える筋肉』ではなく、『習慣の集積』である。それを意識できる受験生は、最後に笑う可能性が高いだろう。

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