つい最近、短い時間であったものの札幌市外の受験生の学習指導をした。そのときに感じたのは、これだけインターネットが発達し誰でも自由に情報にアクセスできる現代でも、いや、そんな現代だからこそ、情報とは誰しもが平等にはアクセスできていないということだった。
無数に存在する玉石混交の情報の中から正しい情報のみを拾うのは難しい。一見正しそうに見えても、見る人が見れば一瞬でニセモノだと分かるが、一般の人が見ると光り輝いて見える情報というのはたくさんある。最近で言えば、新型コロナウイルス感染症に関するデマ情報などが社会的問題になったりしているが、これも医師などの医療従事者が見れば明らかにデマだとわかっても、そうでない人には判断がつかないトンデモ情報だったりする。
この類の情報は、デマを流す側に問題があるのはもちろんだが、真偽をすべてチェックする機能が現代のインターネットには存在しないため、自分の身は自分で守る、最も正しいと思われる情報を自分で取捨選択するという情報リテラシーが必要になる。とは言え、上述のように正しいか正しくないかの判断基準を有しない人がそれを自力で行うのは現実的にかなり難しく、そうなると自分の周囲に確かな判断基準を有する人を確立するのが最も確実である。
大学受験界にも同様に、「数学はこの教科書を理解するだけで医大二次数学8割とれる」「英語は多読だけやれば良い、リスニングは毎日音だけを聞けば良い」など様々な情報が飛び交っている。特に地方では情報から遮断した状態となりやすいため、一度誤った情報がインプットされると自力で正しい情報に更新するのはかなり難しくなる。かく言う私自身も地方出身者であり、情報アルアルに踊らされていた一人だが、正しい情報、正しい受験戦略との出会いで人生が変わったのも事実である。
正しい受験情報を高い信頼性と効率性で入手する方法の一つとして、実際に受かった人、そのノウハウのある受験のプロに並走してもらうことができれば一番良い。彼らに「ホントウにこの教科書しかやらないで医大二次数学8割とれたの?」「ホントウに英語は多読だけで文章が読めるようになるの?音を聞き流すだけでリスニングの点数取れるの?」を率直に聞いてみてほしい。
こういった地方の教育格差を是正し、あるいは地方でなく都心部にいても情報を正しくキャッチできない受験生・保護者の夢を夢のままで終わらせないためにも、ひとりの医師として、北大・医大進学塾の塾長として何か役立つことをできればと思う。そういったことが、自分が昔受けた恩義に対する社会的貢献だと思うのである。