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10/22/2021 2:00:00

Case31. 準備8割、本番2割

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マインド

 刻一刻と冬が近付いてきた。夏物の服はすっかりタンスの奥に片付け、秋から冬への準備が必要な時期になってきた。そうこうしているうちに初雪も降ってきてしまうのではなかろうか。

 受験生には最も酷なシーズンが「冬」である。受験の最後はメンタル勝負であり、その最後の関門が共通テストのある冬である。毎年この冬あたりから精神的に参ってしまう受験生を多く目にする。各模擬試験やこれまでの学習成果からは考えられないような共通テストの点数を取ってしまう受験生を目にするのである。落ち着いて座っていられなくなる受験生、衝動的な行動をしてしまう受験生など、冬から一定数出現してしまう。

 共通テストの結果が良ければ二次試験への弾みになるが、悪ければ二次試験への重圧になる。大学受験は共通テストと二次試験の合計点で競われるので、もし共通テストで失敗すればその分だけ二次試験を頑張らなくてはならない。理論上は二次試験の2問3問で逆転できるような点数差であったとしても、その2問3問ビハインドの状態で本番に臨まなくてはならないというのはやはり心理的に重くのしかかる。特に医学部受験のようなハイレベルな戦いでは、他の人ができている問題は当たり前にできた上でさらに2問3問追加で取らなければならないというのはまさに言うは易く行うは難しというものである。

 「共通テストは9割取りたい、でもそのためにはこの分野もできていないしあの分野も不安だ」という現実的な問題にぶち当たり、受験生は徐々に圧に耐えられなくなる。自分自身の冬を振り返っても、やはり理想の数字と現実の数字が乖離しているのを想像してしまうとつらかったのを覚えている。周囲も同じような不安を抱いていた受験生が多くいてお互いに慰め合っていたのを覚えている。おそらく受験生全体の99%は同様の心情になると思う。

 不安にならないようにしましょうというのは無理であり現実的ではない。これから冬を迎えるにあたって大なり小なり必ず不安になる。だからこそ今のうちから不安になるという前提に立って準備してほしいと思う。すべての教科・科目で最高のパフォーマンスが発揮できるということはまずないと思って良い。だからこそ今のうちに感性と理性を切り離す準備をしてほしいと思う。

 「必ず不安になる、何かで失敗もするだろう。」そういったことを現段階から想定して問題演習に取り組むのと、「本番は万事順調でこれまでの最高得点になるだろう。」と楽観的に考えて問題演習に取り組むのでは、必ず本番では不安になるという前提に立ったとき、実際に不安に直面した際の対応能力に大きな違いが出る。

 受験とは感情論だけでは攻略不可能であり、心の中では熱いpassionをもち、一方で頭はcoolに理性を保ちこれから来るべき敵をどう迎え撃つのかということを考えなくてはならない。自分が不安になるとどういう癖が出てどういう思考になる傾向があるのかを日々の学習の中で分析し、自分の調子が良いときとどう考え方が違うのか、その調子が良い状態に近付くためには今この瞬間にどうしたらベターなのかを練習しておくことが大切である。この準備の習慣だけで、驚くべきことに、試験本番の【想定範囲内の不安】に直面したときメンタルへのダメージを最小限にして本番に取り組むことができる。メンタルも準備8割、本番2割である。

 単純学力だけでは決まらないこの受験レースで最後の最後に笑うためには、学力の向上は言わずもがな、本番を想定したメンタル準備もしてほしい。不安になるのは受験生は皆同じである。しかしそこでメンタルの準備をしているかどうかが最後の勝敗を分ける大きなカギとなることを今のうちから心に刻んでほしい。

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