世の中には『天才』と呼ばれる人がいる。これは事実だろう。しかし『天才』と呼ばれる人が常に勝ち続けるとは限らないのも事実だ。圧倒的な才能がありながらも、その才能を発揮できずに埋もれていく人や、決して才能があるとは言えない人に結果的には負けてしまう天才も多々存在する。
もし自分が天才ではないと気が付いてしまったら、才能に勝るために何をすべきかを考えなければならない。その一つの方法として、才能に勝るためには『圧倒的にやり抜く力』を伸ばすことが挙げられる。世の中には天才と呼ばれる人が一定数いるが、全員が全員、その才能のみで成功するということはない。
ずば抜けた才能に恵まれながらも、その能力を十分に発揮しないうちに、挫折したり、興味をなくしやめてしまう人というのは相当数いる。当然のことながら、こう言った人は結果が出ないうちに姿を消す。つまり、“才能”と“結果”は必ずしもセットになっていないということだ。
逆に、決して恵まれているとは言えない才能で天才に勝つ人たちがいる。彼ら/彼女らの共通点は、間違いなく『圧倒的にやり抜く力』の有無だろう。自分で目標を決めたら、そこに向かい120%の情熱と忍耐力で挑むことができる人が、結果的に勝つことができる人である。経験則になってしまうが、例えばこれまで医学部に合格する受験生を見ていると、全数としては『才能型』で合格する人よりも『やり抜く力型』で合格する人の方が多いように感じる。『やり抜く力型』で合格する人は、勉強に対する目つきや態度が明らかに違う。彼ら/彼女らは正しい学習戦略とアドバイスを受けつつ、すべてのエネルギーを医学部合格に全振りし、それを一年間継続し続ける。
特に大学受験のように、問題に対して解答が用意されているようなタイプの試験では、この傾向は顕著に思う。答えが無いものに答えを作っていくよりは、はるかに才能がいらない世界だからである。正しい時期に正しいやり方で正しい努力を継続すれば、かなりの程度で目標に近づき、その目標を達成できることが多い。それが大学受験である。
高3、浪人生は残りわずかの時間を走り抜け、高1、高2生は今から本番を見据えて『圧倒的にやり抜く力』を身につけよう。その積み重ねが才能に勝る一つの正解であろう。