ごく一部の例外を除けば、勉強を続けていると必ずどこかで壁にぶつかる。大学受験には「偏差値55の壁」と「偏差値65の壁」という二つの壁が存在するわけだが、この双璧を乗り越えられず学力が停滞してしまっている受験生はいないだろうか。もちろんこの二つの壁以外にもいくつか壁は存在するものの、この大きな壁をいかに早く乗り越えるかが受験的には非常に重要なポイントである。
真面目な性格の受験生ほど何か壁にぶつかるたびに自力のみで乗り越えようとする。特に高校生にもなると今までのように両親に相談しにくく、また環境によってはその他周囲の理解も得にくくなっていることもある。スポーツでもそうだが、初級者から中級者へ、中級者から上級者へ各ステップを駆け上がるとき、自己流のやり方よりも適切なコーチやアドバイザーに客観的なサポートをもらった方が上手くいくことの方が圧倒的に多い。
まず自力でやってみて、そこで上手くいかないと感じたら周囲に助けを求めることは、少なくとも大学受験という明確な時間制限や最終目標が決まっているレースでは非常に有効に働く。これは来年の1月2月までにこのレベルまで出来ていれば〇〇大学、次のレベルまで出来ていたら△△大学というように毎年ほぼ一定レベルに決まっているから成り立つとも言える。
このレースで大切なことは、自力のみで全てを乗り越えようとするのではなく、途中途中で適切なサポートを受けつつレースの途中で諦めないことだ。単独では克服困難なことがあれば、自分だけで悩まず他人にアドバイスを求めたり成功している人の真似をしたりするのも良いだろう。そうやって適切なサポートを受け、最適なコース取りや戦略を学んだ受験生が最後の最後に笑う。それが大学受験という全国レースである。
はじめに書いたように、最初から最後まで完璧に上手くいくことはごく一部の人間以外はあり得ないという前提に立ち、つまりある意味で壁にぶつかることを前提として一年間の学習戦略を立てることが大切である。そしてこの壁には、偏差値的には55と65でぶつかり、個別具体的な教科・科目では多くの受験生が大抵同じ場所でつまずく傾向にあるため、そこをサポートしてくれる存在をいち早く獲得することが受験的には最適解だろう。
絶対的な他力本願はよろしくないが、自助努力をしつつさらに適切なタイミングで適切なサポートを得ることは受験戦略上とても大切である。この仕組みを早期に取り入れ、これからの受験戦略を考えていこう。