スポーツにも受験にも『勝利の女神』と呼ばれるもの、つまり“幸運”は存在する。もちろんスポーツや受験でも運単体で勝敗が決まることはないが、ギリギリの勝敗を分ける運を味方につけられる人とそうでない人がいるのはたしかだ。ではどういう人が勝利の女神に好かれ、逆にどういう人は勝利の女神に嫌われるのだろうか。
幸運の女神に好かれるための大前提として、「やるべき準備をきちんとこなすこと」は大切だ。来るべき試験に備えて30%の準備をした人と、100%の準備をした人と、あなたが勝利の女神ならどちらに微笑みたいと思うだろうか。よほど意地の悪い女神でもなければ100%の準備をした人に微笑みたいと思うのは自然であろう。スポーツでも受験でも1点が勝敗を分ける世界で、その1点を勝ち取るための準備に余念がない人に幸運は舞い込んでくるのだ。
幸運の正体とは、チャンスが訪れたときに、いつでもそのチャンスを生かせる態勢にあることを指す。もちろん、準備万端であれば、いつも勝手にチャンスが訪れるわけではない。そのような中で、あるとき舞い込んできたチャンスを100%生かしきることが重要で、それはいつも100%の準備を怠らない人にしか行えないのだ。
やや角度を変えて幸運の本質を眺めてみると、幸運とは自らつかみ取りに行くものだとも言える。つまり、事前の準備が大切なのであれば、事前に最高の準備をするのは自分であり、その最終的な結果として勝利の女神がやって来るかどうかということである。スポーツでも受験でも自分でコントロールできない不確定要素があるからこそ、自分でコントロールできる準備の質や量を上げ、幸運を引き寄せる準備を入念に行っておくことは重要であろう。
来年1月から本格的に始まる大学受験。その試験本番で勝利の女神に微笑んでもらえるのか否か。それはこれまでの準備、そしてこれからの準備にかかっていることを胸に刻んで取り組んでほしい。幸運とは単なる運ではなく自分の手でつかみ取りに行くものなのだから。