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4/22/2022 9:30:00

Case55.From A to B

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マインド

 受験はマラソンによく似ていると言われる。私も同感である。短距離走か長距離走か、二択で聞かれれば「長距離走」と答える。レトロスペクティブに見た場合、短距離走的であったかもしれないと思うときもあるが、少なくとも走っているランナーにとっては長距離走と体感するし、その感覚で間違いないと思う。

 一般的なマラソンはA地点からB地点に向かう際にコースが決められており、そのコース上で選手同士の駆け引きが行われる。したがって自分だけ他の選手と違うショートカットを使ったり、規定のコース外を走ることは許されない。

 一方で受験におけるマラソンは上記のようなマラソンと一部異なり、ゴール(B地点)は決まっているが、そのスタート地点(A地点)も、各選手が選択すべきルートも選手が自由に決めることができる。この自由さはある選手にとっては有利に働き、ある選手にとっては不利に働く。これが一般的なマラソンと違い、受験レースにおける最大の難しさである。

 選手はこれまでの人生18年間で一度も走ったことのないコースを走ることになるが、ゴール位置、スタート位置が客観的に測れていない場合がほとんどである。経験したことが無いのだから当然である。指定のコースもないため自分がどこをどう走っているのかすら分からないということも頻繁に目にし耳にする。

 ではどのようにすれば目標とするゴールに到達することができるのだろうか。結論として、①自分のスタート地点を正確に知る、②ゴール地点を正確に知る(=ゴールとの距離を認識する)、③どのルートを走れば最短距離かを正確に知る、この3点を攻略することが受験を制するといっても過言ではない。

 ①については、受験生が自分を過大評価、過小評価することなく客観的に自己分析できるか、その客観的評価をできる人が周囲にいるかが大切である。受験生は自己を過大評価する傾向にあるから(「オレは本当はもっとできる」というパターン)、その評価を適宜修正することが第一歩である。自分が全国のライバルの中でどの立ち位置にいるのかを正確に知ることが全ての第一歩である。

 次に②について、目標地点を正確に定めること、そこまでの距離が自分の現在地からどの程度離れていて、その地点に到達するまでにどういう具体的な課題が発生するのかを認知することがセカンドステップである。①で得られた立ち位置とゴールとの位置関係を利用し、クリアしなければならない課題を順に潰していく作業に入ることである。

 最後に③は、自分の特徴や相手(ゴール、志望校)の特徴を利用し、どのルートで攻略していくのが最も良いか、個人個人の得手・不得手に合わせた攻略ルートを設定していくことである。この段階になると、総論的な手法ではなく各論的な手法が重要で、その各論を一緒に検討してくれるパートナーの存在が合否を分ける。

 A地点からB地点に行くためにそのルートが自由であるからこそかえってその選択が難しくなっているのが大学受験である。特に医学部や難関大の場合は、そのルートとして使えるはずの正しい地図(=正しい受験情報)を入手するのも困難であり、周囲にパートナーとなるべき専門家がいないということも現実的にはかなりの頻度である。

 ①~③という手順に従って、自身の受験レースを正確に見つめ判断する。こういったプロセスを受験勉強開始の早い段階で行えるか、それが受験を進める上では真に最初の一歩であることを認識してほしい。

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