『予習と復習はどちらが大切ですか?』受験相談を受けているとこのような質問を何回も受けるが、結論は『復習が大切』である。一度習ったことを一回で100%習得できるスーパーマンには当てはまらないかもしれないが、スーパーマン以外は復習を徹底的に行えるかどうかで学力は規定される。
多くの受験生を見ていると、復習が不十分なのに予習に必要以上の時間をかけたり、復習を“形式的に”だけ済ませて『復習をしているのに学力が伸びない』といった悩みを抱える学生がいる。復習の本質は、『習ったことを自分の言語で理解し、手をスムーズに動かせる状態になる』ことであり、決して1回、2回習ったことを見直せば良いということではない。上記の状態になるために、必要であれば5回でも6回でも徹底的に見直し、手を動かし、自身の血肉にしなければならない。
大切なポイントの一つは、自分の言語で理解するということである。他人の言語ではなく自分の言語で理解することで、時間の経過にも耐えられる長期記憶となり、試験本番でも通用する学力となる。どんな人もはじめは短期記憶が先行するが、丁寧に復習を繰り返し、本質的な復習のレベルまで到達すると、それは短期記憶から長期記憶へ変化する。
自身の経験から、本当に苦手な分野では、復習は7~10回は行った記憶がある。得意科目や分野では、それこそ1-2回で血肉になるものもあったが、それは全体から見れば極めてレアなケースで、基本的には3回、4回、・・・と復習することではじめて自分の血肉となるだろう。そして、おそらく多くの受験生を見ていると、これくらいの復習をしてなんぼということだとも思う。
閾値に達するまでの復習を学生一人ひとりがどれだけ課題意識を持って取り組めるか。その積み重ねが受験生になってからの真に伸びる学生とそうでない学生の明暗を分けている。形式的な復習ではなく、その復習が血肉となるような一定の質と量を担保しているか、是非考え直そう。