この記事が公開される頃にはもう共通テスト本番まで1ヶ月というタイミングだと思う。二次対策から共通テスト対策に主軸が移り、社会など日頃あまり手を付けていなかった教科も詰めていかなければならない最終フェーズである。
マーク主体の共通テストと、記述中心の二次試験は問題のベースになる考え方は同じであっても対策の仕方、心構えが大きく異なる。今回は共通テスト直前であるから共通テストにフォーカスしてみる。私は、共通テストで高得点をとるポイントは以下の二つだと思う。
①限られた時間の中で問題を解く順番、場合によっては時間的に捨てざるを得ない問題を選ぶ
②「正解を選ぶ」という正面突破型と、「間違いを除外する」というマーク特有の解法形式を組み合わせる
まず①について、共通テストの最大の敵はとにかく時間である。医学部や難関大を目指すレベルの受験生であれば、例えば答案に二倍の時間を割いても良いならば英数理は(ほぼ)満点を取れる。しかし実際は時間的プレッシャーから9割前半や、時には8割台まで落ちてしまう受験生がいる。特に時間的プレッシャーに弱い人は要注意で、試験中のメンタルコントロールも含めて事前に対応策を検討しておく必要がある。時間を意識した実戦的な問題演習の中で「問題を捨てる」というカードをどこでどう切るのかも常に考えておかなければならない。実際私自身も当時のセンター試験:数学IIBで「ドツボにはまった」とわかったときに、思い切ってその問題を一問捨てるという選択をしたのを今でも覚えている。結果的にその一問を捨てることで他に悪影響を与えなかったため、正しい判断だったと思っている。問題を捨てるというのは、受験生本人にとってはまさに言うは易く行うは難しの典型であるが、実戦演習の中で「どこで線引きをするか」ということも頭においてトレーニングしておかなければならない。
次に②について、特に数学以外の英語・理科・国語・社会は大半が4択または5択から正解を選ぶという出題形式である。つまり4分の1で答えをドンピシャリ選んでも正解だし、残りの4分の3の誤りを除外しても正解となるわけである。実際はこのマーク選択手法を組み合わせることになるが、特に理系学生では本腰を入れて勉強できていない国語・社会では除外法が大きく功を奏す。例えば共通テスト対策で一ヶ月みっちり評論文対策をしているとマーク感覚が養われてきて「この選択肢はクサいな」「なんかおかしいな」という感覚が身についてくる。そうするとその選択肢を除外でき、最終的に選択肢を1つか2つに絞り込める。その上で本文と照らし合わせ、より正解に近い方を選べば良い。この際、頻繁に経験するものとして、私自身も経験したものとして「2択から最後の1択を選べない」という場面があり、残念ながらこれは本番で遭遇したら正直どうしようもない。そのときは事前に決めておいたマイルールに従って機械的に選択肢を選ぶということをオススメする。(最初に正しいと思ったほうを選ぶ、番号の若い方を選ぶなど。)その2択に要する時間=タイムロスする時間と、以降で得られる時間的メリットを天秤にかけ、後者の方が相対的に重要と判断できる場合が多いからである。
今回は共通テストに臨む上で最後の学習戦略アドバイスになるかもしれない。共通テストまでカウントダウン状態であるが、これまでやってきた基本的な問題を中心に解法理解を進め、目標合計点まで到達してほしいと心から思う。
受験生、特に塾生、今が一年の正念場。がんばろう。みんな応援してる。