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4/8/2022 9:30:00

Case53.なんとなく点数取れたが一番危ない

eyecatch
戦略

 受験生はこれから受験本番まで毎月、毎週と言っても過言ではないくらい試験、試験、試験の日々を送ることになる。今は4月で精神的にも肉体的にも比較的余裕のある時期だが、そんな今だからこそこれから連続で迎えることになる模擬試験や定期試験の結果に対する考え方について今一度確認しておこう。

 試験の出来栄えは大きく以下の3パターンに分類できる。 ①思ったよりもできた ②思った通りだった ③思ったよりもできなかった

さて、この中で最も危険なのは①である。受験生や保護者の心情としては、①の結果が返ってくるととてもハッピーである。たしかにこれが最後の試験本番であれば真にハッピーだか、模擬試験や定期試験などで①の結果が返ってきた場合はむしろ注意する必要がある。本来の実力に対する過大評価の原因となり、以降の学習方針を見誤る可能性があるからだ。

 特に注意したいのは、これが秋・冬の模擬試験や定期試験の結果で返ってきた場合である。最後の最後に実力以上の結果で返ってきたばかりに、本来やらなければならない勉強をすっ飛ばして実力に見合わない学習に走ってしまい、時期的にも修正がきかなくなる。つまり、本来であれば共通テストレベルの英単熟語や英文法の基礎・基本、構造理解を見直すべきタイミングであるのに、単熟語レベル・構造レベルからも本来の実力以上に高度に難解な英文和訳に手を出してしまうといったようなことになる。

 これが実力以上の結果なのか、そうでないのかは慣れた進路指導の専門家なら一発でわかる。受験生本人と各教科や学習全体の話をしたときに、真に学力のある学生ならばこれくらいの相談・会話レベルになるというものが直感的にわかるからである。つまり、たまたま上手くいって90点を取った学生の学習に対する深みと、失敗して90点を取った学生の学習に対する深みは、会話をしていれば伝わってくるものが違うからである。

 人とは上手くいったものだけを記憶し、上手くいかなかったものは忘却しようとするズルい生き物である。試験結果に対しても同様であり、上手くいった部分にだけ注目し「こんなにできた!すごいでしょ!」と楽観的に考えたがる傾向にある。上手くいった部分を上手くいったと前向きに捉えることも確かに重要ではあるが、そのときに上手くいかなかった部分に分析と実行を行える人とそうでなかった人とでは次の試験で小さな差が生まれ、最後の試験で大きな差となって現れる。そもそも模擬試験や定期試験の本来的な意味は課題を明確にすることであり、発生した課題から目を逸らしては全く意味がないのである。受験生はこういった負の感情を伴う課題に立ち向かう気概と勇気を試される立場にいることを再認識してほしい。

 今回の話は胸にグサッと刺さる受験生が多いと思う。しかしながらこの一年間を開始したまさに今だからこそこの考え方を受験生自身がしっかりと受けとめ理解することが大切である。そして最後になるが、この考え方や課題克服の手法は、受験後を見据えた広い目で見ると、その後の社会生活で応用の利く素晴らしい手法であることも、受験を終えた一人の先輩としてお伝えしておきたい部分ではある。

 さあ、今日も一日頑張ろう!!

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