学生時代を思い返して、もう一度十分な時間と資金があれば行ってみたい国や場所がある。イタリアである。私自身が初めて行ったヨーロッパの国であり、その世界観、文化・芸術などそこで出会ったすべてが日本で感じることのできない素晴らしい体験になったと思う。今日はそんな話を書いてみようと思う。
イタリアは世界遺産の宝庫である。例え行ったことのない人でもコロッセオ、ピサの斜塔、ミラノ大聖堂、トレビの泉などは聞いたことがあるだろう。仮に名称が分からなくても、一度見たら「ああ、あれか」と思うはずだ。多くの日本人が中世ヨーロッパをイメージするときに想起する歴史的建造物の多くはイタリアに存在するといっても過言ではない。各観光地すべてに言及することはできないが、今回はとても印象に残ったミラノ大聖堂とヴェネツィアについて簡単に紹介する。
ミラノ大聖堂は「壮大で荘厳な建造物」の権化であり、外観も内装も圧巻である。日本の神社仏閣とは様相が大きく異なり、文化の違いも感じられる。多くの外国の観光客が現地で祈りを込めている姿を見ると、今も昔も人種を超えて多くの人々の精神的な支えとなっている神聖な場所であることも理解できる。あまり宗教に詳しくない自分でも、宗教的な価値観・多様性を肌で感じることができた。こういった社会学習というのは現地でしか学べないため、海外旅行の目的の一つとなるだろう。また、ミラノ大聖堂は屋上に行くことができ美しい街並みが一望できる。日本の家屋、街並みとは全く異なる景色を堪能できる素晴らしいスポットである。
次いで、水の都ヴェネツィア。実際に行ってみれば、「世界で最も美しい都市」と言われる理由にも納得する。全体としては水上都市という表現がぴったりである。都市内は車の往来が禁止されており、移動は徒歩か水上タクシーが中心である。街並みも美しいが、特に気に入ったのはサンマルコ広場であり、その壮大な空間は丸一日いても飽きないと思うほどである。高さ96.8mほどあるサンマルコの鐘楼からは周辺の島々も見ることができ、最高の景色を堪能できる。
その他蛇足だがイタリア旅行中に思い出に残っていることとして、ワインが水よりも安いので水代わりに飲んでしまう(結果的に喉が渇いて水を多く飲むハメになる)、パスタ・ピザ・ハムばかり食べることになる(さらに喉が渇く)、ミラノ風ドリアがサイゼリヤのものと全く違う(個人的にはサイゼリヤに軍配あり)、現地人に道を尋ねても誤った情報を教えられ目的地に着かない(複数回あり、陽気に教えてくれるが結構いい加減な説明です)などなど。。。。いずれも今となっては良い思い出だが(笑)
新型コロナウイルス感染症が世界的に続いているため、なかなか気軽に海外旅行に行ける状態ではないが、パンデミックが一段落すれば是非とも受験を終えた大学生には一度行ってみてほしい海外旅行先である。日本を中からだけでなく外からも評価するために、ヨーロッパだけではなく様々な海外に実際に足を運び、幅広い視点や考え方を持って社会人になってほしいと思う。