「成長する」とはどういうことだろうか。今日はこの「成長する」という言葉の本質を見つめ直してみたいと思う。
私が考える「成長」とは「既存の意識から脱却し、新たな価値観を持った状態」と定義している。つまり、何か新たな価値観が得られるような変化がその人に起これば「成長した」、起こらなければ「成長していない」と考えられる。ただ単に点数が10点伸びてもそこに新たな価値観の変化や獲得がなければ成長とは呼べず、逆の見方をすれば、何かにチャレンジして失敗してもそのチャレンジによって既存の価値観を超える何かが得られたならばそれは成長なのである。
では、この「成長」を迎え入れるためにどのようなことに気をつければよいのか。それには大きな二つのことがあると考えている。それは「負荷」と「リスク」を受け入れることで、この二つを適切に扱えるようになることで飛躍的に成長できる。
卑近な例では、筋トレで筋肉を発達させようとすれば少しずつ重いウエイトを扱わなければならないのと同様に、人として成長するためにも段階的に「負荷」をかけていく必要がある。過度な負荷は禁物だが、適宜適切な負荷をかけていけば経時的に考え方の変化が生じる。それが成長である。マンネリの中に成長はないが、少しずつ負荷をかけそれに順応する過程で確かな成長を経験する。
次に、必要なリスクも取れるようになるともう一段階成長につながる。あまりに無謀なリスクは取るべきではないが、勝機があると見込んだならばそこに全力投球してみることも大切である。挑戦することにはリスクを伴うが、挑戦しないことにもそれ以上のリスクがあることを覚えておいてほしい(=機会損失という概念)。結局のところ、そのようなリスクを取れる人にしか勝機は訪れないわけで、そのリスクを適切に管理できることが成長するには必要なのである。
この「負荷」と「リスク」を上手に扱えるようになった人には少しずつ成長が訪れ、はじめの地点からは決して見ることのできなかった景色を見ることができる。そしてその場所からさらに次の負荷とリスクを与え、これを繰り返すことで次第に大きな成長へとつながる。このような経験を少しでも早いうちに経験できれば大きなチャンスをモノにできるかもしれない。