『幸運の女神には前髪しかない』この言葉は古代ギリシアのことわざであるが、『チャン スは訪れたときに掴まなければならず、過ぎ去った後に手に入れることは不可能』という 意味である。
この古代ギリシアのことわざの由来は、ギリシア神話に出てくる時の神カイロスが、長い 前髪こそあるが後頭部には髪がなく禿げているため、『前方からやってきた古代神カイロ スを前側から捉えるのは容易だが、一度そのタイミングを逃すと禿げあがった後頭部を掴 むことは容易でなく、絶好の機会を逃してしまう』と意味合いで用いられている。
この考え方は大学受験でも同様で、例えばこれから本格的に受験勉強に向かう高 1 生や高 2 生、さらには中学生も、自分事としてこの神話を考えてみよう。『何か行動を起こさなけ れば・・・』『このままで医学部に合格できるのだろうか・・・』など一人でずっと考え ているだけでは多くの場合でその正解は得られず、何か具体的なアクションを取ることが 大切である。信頼のできる学校の先生や塾に積極的に聞いてみて日々の活動に落とし込む ことや、あるいはそういった先生や塾を新たに切り拓いていくことも幸運の女神の前髪を 掴みに行く行為である。本気で勝負をしたいと考えるなら、こういったアクションを取る ことは至極当然のことで、結局は一日も早く熱量をもって行動を起こした人が勝つのも事 実である。いつまでも『願う』だけの受け身的な考えはやめ、是非ともその幸運を自ら掴 みに行くための前向きな行動をしよう。
カイロスの前髪を象徴とした神話は、時間と機会を巧妙に結びつけ、迅速な判断と行動の 重要性を伝えている。「前髪」を逃すことなく、人生のチャンスをしっかりとつかんでい くことの意味をもう一度考え、そして行動に移していこう。『気が付いてみると、幸運の 女神はあのときに過ぎ去っていた』なんてことにならないように。