人生谷あり山あり。人生には順調な時期(山)と困難な時期(谷)が交互に訪れるという意味の慣用句だ。人生の浮き沈みや変動を象徴的に示し、成功や失敗、喜びや苦難が織り交ざることを表現している。このように人の一生は決して良い時ばかりではなく、悪い時も必ずやってくる。
このような前提条件のもとで、人生をより良く生きるためには、どちらの考え方が大切だろうか。A:いかにして楽な道のりを見つけるか、B:どんな困難な道でも、力強く歩むにはどうすればいいか。もし、あなたがAの答えを選んだなら、それはごく自然なことだろう。どんな人でもわざわざ苦労はしたくないと考えるのは普通だからだ。楽に進める方法があるなら、それに越したことはないだろう。ただし、人生山あり谷ありとするならば、困難な時期を乗り越えるために、Bの術も身につけておかなければならない。
目の前に困難な道が現れたとき、人間はつい「なぜ自分だけがこんな苦労を…」「なんでこんなことばかり…」と感じてしまいがちである。だが、よく考えてみてほしい。その「谷」があるからこそ次の「山」も訪れるし、同時に「谷」を経験することが自分を強くする最大のチャンスでもある。分かりやすい例では、筋トレと同じで、楽な負荷ばかりかけていても決して筋肉は大きくならない。筋肉痛になるほどの負荷をかけたからこそ、筋肉は成長する。人生も同様で、困難な道を選び一歩ずつ進んでいくことで、新しいスキルを身につけ、自信をつけ、精神的にもタフになっていく。
困難な時期とは、たいてい『変化』を求めらる時期だ。変化とは何かが変わるのに痛みを伴う、いわば成長痛のようなもので、変化を単にネガティブに捉えるのではなく、「これは自分を成長させるための変化なんだ」とポジティブに捉えることが大切だ。困難な状況を乗り越えたとき、次のステージに進んだ新しい自分に出会うことができる。また、このような困難な状況を必ずしも一人で抱え込む必要はなく、信頼できる人や専門家に相談することは決して恥ずかしいことではない。
人生は、自分たちが思う以上に険しい道のりがあるだろう。しかし、その険しい道をどう歩んでいくかという姿勢こそが、自分たちの人生を豊かにしてくれる。楽な道を探すよりも険しい道をどう歩いていくかという視点を持つことで、結果的にもっと強く、もっと自由に生きられるようになる。
自分にとって『険しい道』とは何だろうか。そして、それをどう乗り越えていくのか。