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6/27/2025 9:30:00

Case217.中高一貫校の功罪

eyecatch
その他

中高一貫校は学習環境の安定や教育の多様性、さらに大学受験の準備が有利なため、全国的に注目を集めている教育形態である。学校によっては早々に学校説明会の定員に達し、何回かに分けて説明会を実施している学校もあるほどだ。しかし、中高一貫校の功罪、つまりメリットとデメリットを正しく理解し入学しているだろうか。学校説明会で良い話ばかりを聞いたり、表面的な情報収集のみで中高一貫校に入学し、実際に入学した後に入学前に聞いていた話と全く違うということにはならないようにしたい。

中高一貫校のメリットは多々あるが、上述のように学習環境が安定しており、多様な教育の提供、さらに一貫した独自のカリキュラムにより先取り学習を含めて大学受験までストレートで一気通貫できるということが挙げられる。部活でも中学生と高校生が同じ練習場で練習することで組織としての連帯感や切磋琢磨しやすい環境が整えられていたりと実に魅力的だ。その他の課外活動も探究型と呼ばれる社会問題を自分なりに解決する手立てを学ぶような活動機会が充実していたり、小学生や地域住民と一緒になって取り組む社会活動型の活動など用意されていることもあるようだ。

しかし、こういったメリットに注目されがちだが、実際にはデメリットが存在するのも忘れてはならない。例えば交友関係は6年間ある程度固定化され、人間関係の安定と言えばそうかもしれないが、多様性は失われる。必然的に、一度人間関係を壊すと6年間が苦痛になるかもしれない。また、希望の中高一貫校に通うため遠路はるばる通学する場合もあり、6年間の通学の負担はバカにならない。

また、塾を経営する中で、中高一貫校に通う一部の生徒の学力に関する課題は、かなり大きいと感じている。具体的には、中高一貫校では独自のカリキュラムで学習を進めるため、先取りこそが美学と言わんばかりに、生徒の理解度や定着度は無視して、とにかく先取り先取りとする学校も多く、中学範囲の理解が不十分にも関わらず次々と高校範囲に突入し、結果“砂上の楼閣”になっているケースを多く見る。すべての勉強はつながっており、本来は高校入試という知識を総合的に定着させる機会を失った中高一貫校の生徒は、中学の学習範囲に無視できないほど大きく致命的な穴を抱えたまま、高校範囲を強行軍で進んでいる人も多い。この問題は、特に英数で顕著で深刻である。

中高一貫校では、トップの成績を取っている生徒が広告塔として入学説明会ではクローズアップされ、『今年も〇〇大学に△△人合格しました!』とキャッチーな宣伝を行っているが、中高一貫校であるがゆえの課題も決して無視できないということは、保護者も生徒本人も入学前にきちんと知っておくべきだろう。

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