受験は時間との戦いである。一年間という限られた時間の中で、相対的にどれだけ高いパフォーマンスを発揮できるかが問題であるからだ。もし仮に医学部や難関大に合格するために初めから10年、20年計画であれば話は別かもしれないが、たいていの場合、現役生は現役での合格を目指すし、浪人生も今年で勝負をつけようとするだろう。そうであるならば、受験戦略の全体像を描くとき、常に横軸は時間軸とすべきであり、縦軸は偏差値や学力といった成績になるだろう。
ところで、成績が上がるためのプロセスとして、『わからない→わかる→できる』という流れを必ずたどる。『わかる』状態とは、ある一定のインプットはなされているが、それを白紙の答案用紙に点数が取れるレベルで記載ができない状態を指す。『こんな解法を使っていた(気がする)が手を動かすと紙面に上手く書けない』という感じである。受験勉強を進めるとこのレベルで学力が停滞してしまう学生が実に多く、偏差値60、65の壁を上手く乗り越えられない。この『わかる』を乗り越えなければ、いわゆる医学部や難関大合格はかなり厳しい。よって、この『わかる』を可能な限りスムーズに乗り越え、次の『できる』のレベルにどれだけ早く到達するかで、最終的な成績はほぼ決まってくる。
では、多くの受験生が乗り越えられないこの『わかる』の壁をスムーズに突破するにはどのようにすべきなのだろうか。結論、この最適解の一つは【個別指導】である。自分の理解度や学力レベルに合わせて、解法論理を理解できるまで説明してくれ、その理解が腑に落ちるところまで丁寧にサポートしてくれる個別指導は、この『わかる』というハードルを一気に下げ飛躍的な学力向上の起爆剤になる。これは経験的に、また実績としても間違いない。
もちろん独力でも『わからない→わかる→できる』のいずれの段階やプロセスをも克服することは可能であるが、横軸に時間を取る場合はいかに効率よく学ぶかが最重要になる。最初に述べたように、仮に最初から10年、20年計画で事を進めるのであれば話は別だが、この1年、せめて2年というスピード感で合格する意識であれば、わかっている人にわからないものを1対1で教えてもらい、『わからない→わかる』『わかる→できる』への変化を遂げるべきであろう。ここには当然お金もかかるが、ある意味でお金で時間を買うという発想が必要になる。そして、結果的にはその方が高いリターン(=1年で医学部合格など)を得られる場合が多い。
これから夏に向けて受験勉強が本格化するが、これまでも・これからも常に横軸には時間をとり勉強を進めてほしい。