子どもの将来を思えばこそ、親が「良かれ」と思って手を差し伸べる場面は多い。勉強や成績に細かく注文をつけたり、友達関係に口を出し、進路にも「〇〇大学にしなさい」と指示を出す――そんな“熱心な関与”は一歩間違えば「過干渉」となり、子どもの健全な成長を妨げてしまう可能性がある。親である以上子どもへの一定の干渉は必要だろうが、それが度を超すと『過干渉』になってしまうのだ。
以下に干渉のメリットと過干渉のデメリットをまとめてみた。
干渉のメリット
- 安全や失敗の回避:経験不足の子どもを危険や大きな失敗から守れる。
- 学習機会の強制確保:やる気が出ない時にも学習の習慣を身に付けさせられる。
- 短期的な成果:成績や評価など、見える成果が短期的には出やすい。
過干渉のデメリット
- 自発性・主体性の喪失:「やらされている」という意識が定着し、自主的に学ぶ楽しさを感じにくくなる。
- 自己肯定感の低下:「自分一人ではうまくできない」と無意識に思い込んでしまう。
- 親子関係の緊張化:思春期になればなるほど干渉は反発を生みやすくなる。
重要なのは「見守る」姿勢と干渉のバランスだろう。子どもが困っているときには手を差し伸べつつ、自ら考え、選び、失敗する経験も大切にする。干渉ではなく“関心”を持ち、子どもの成長を信じること、それが真の教育的関わりなのではないだろうか。