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1/27/2023 9:30:00

Case93.先手必勝

eyecatch
マインド

本日は中学生や高校 1, 2 年生に向けて書いた内容である。ある戦いや競争において、【先手必勝】という考え方がる。もともとは将棋や囲碁で先手番の方が勝率が高いことが知られており、そこから一般でも使われるようになった四字熟語である。当然ながら「大学受験」という枠組みの競争においてもこの法則は成り立つ。

受験界ではよく「逆転合格」という合格の仕方が、ある一つの美学として賞賛される傾向にあるように思う。大手予備校のパンフレットや資格系の通信講座まで「逆転合格!」というような謳い文句が多く利用されているのを目にする。確かにこれまで苦戦を強いられてきた状況にも関わらず、藤井聡太が指すような神の一手により大逆転となれば、それは喜ばしく素晴らしいことである。逆転合格できるのはそれまでに最低限度の下地が完成している場合であり、最後の最後に本番の問題とも相性がマッチするなどいくつかの条件を達成したときに初めて成立する“神”現象でる。そのため逆転合格できるのは素晴らしい ことだし、賞賛に値することは間違いない。

ただ、現実には逆転合格で合格する人数よりも「予定合格」で合格する人数の方が圧倒的に多いという事実を見逃してはいけない。つまり、受かるべくして受かる人の方が全体の中では多数派であり、逆転で滑り込む人は 1 割いるかいないか程度である。志望校に合格するためにコツコツと勉強を重ね、志望校が求めるレベルに合わせてきちんと準備を整えてきた学生が結果的に報われやすくなっている。これは大学受験という競争がコイントスで合否を決めるような仕組みではなく、とてもフェアな戦いと考えることができる。準備 の出来に関係なく、その日の運のみで決まるような試験ではないのである。

となると、いかに早い段階から万全の準備を整えるかということに焦点を当てる方が志望校合格の確率がグッと上がることは容易に想像がつく。高 3 でスタートするよりは高 2 でスタートする方が有利であり、高 2 よりも高 1、高 1 よりも中 3…となる。どのタイミングでスタートを切るかは家庭の教育方針や個々の事情などによっても様々であるが、受験的な目線では一日でも早くスタートを切れば切るほど有利になるのはほぼ間違いないように思う。

また、やや今回の本題とは逸れるが、特にその最初のスタートを切る際に適切な指導者に巡り会えるかどうかも非常に重要である。最初のオリエンテーション(方向付け)を誤り努力の方向性を間違えてしまうと、その後にどんなに努力しても上手くいかないのは明白であり、ゆえに最初に出会う指導者はある意味で超重要と言えよう。

以上、これから本格的な受験勉強が始まる高 2 生以下は、最善手「先手必勝」「予定合格」、次善手「逆転合格」という学習方針で勉強を進めていこう。これが第一志望合格の王道と言えるのだから。

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