季節は秋。実りの秋。あんなに暑かった夏も終わり、Tシャツだけでは肌寒く感じる秋が到来した。受験はすでに後半戦になり、ちょうどこの時期から受験生は不安と焦りを強く感じ始める。
人間ははっきりと予測できない漠然とした未来について不安を感じるものである。「1ページから100ページまでやり切った人は全員合格」のように明確な基準が設けられた試験であれば受験も楽だが、実際の受験はある程度の目安こそあるものの絶対的ノルマで合否が決まるわけではないため、上記のような不安に駆られてしまうのだ。
もうダメかもしれないと思ったときに、そこから一歩も動けない人とそこから一歩前に進もうとする人がいる。苦しくて逃げ出したくなった時に、そこで逃げ出す人と果敢に立ち向かう人がいる。たった一度の自分の人生を真剣に考えたとき、人生の中における受験という天使/悪魔をどう捉えていくのか。受験で人生のすべてが決まることはあり得ないが、結果的に受験から逃げ出したばかりに10年後に後悔する人がいるのも確かである。
自分の将来や志望校は他人に決められるものではない。特にこの時期からは身の回りの人からも「お前には無理だ、今からでは間に合わない」と言われるかもしれないが、自分の人生を決めるのは自分で、人生どうなるのかではなく、どうするのか。その強い意志を持って周りのノイズに惑わされることなく、自分のやるべきことを毎日淡々と行う。
苦しいこの秋に力強い一歩を踏み出せるのか。自分の人生をどうしていくのか。今この瞬間の一歩が命運を分ける。