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2/6/2026 9:30:00

Case249.夜明け前の机

eyecatch
その他

冬の夜明け前。

高校三年生のK君は、まだ暗い部屋で机に向かっていました。

模試の判定はずっとE。

どれだけ勉強しても結果がついてこない日々に、心は何度も折れかけていました。

その朝も、参考書を開いたまま手が止まり、ため息がこぼれました。

「もう無理なのかな…」

そのとき、部屋のドアがそっと開きました。

母が温かいココアを持って入ってきたのです。

「休憩しなさいって言いに来たんじゃないよ」

母は笑いながら、机の横にココアを置きました。

「K、知ってる?夜明け前がいちばん暗いっていうけどね…あれ、本当に“暗いからこそ、光が近い”って意味なんだって」

K君は黙って聞いていました。

「あなたが今感じてる苦しさは、光が近い証拠なんだよ。だって、あきらめてる人はこんな時間に机に向かわないもの」

その言葉は、胸の奥に静かに落ちていきました。

誰にも見えない努力を、ちゃんと見てくれている人がいる。

それだけで、心の中に小さな火が灯ったようでした。

K君はココアを一口飲み、深く息を吸いました。

「もう少しだけ、やってみるよ」

母はうれしそうにうなずき、部屋を出ていきました。

そして迎えた本番の日。

K君は緊張しながらも、あの夜の言葉を思い出していました。

「暗いのは、光が近いからだ」

その一言が、最後まで自分を支えてくれたのです。

数週間後、合格通知が届いたとき、K君は思わず涙がこぼれました。

努力が報われたことも嬉しかったけれど、

何よりも“信じてくれた人がいた”ことが胸に響いたのでした。

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