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5/17/2024 9:30:00

Case159.『基礎ができる』の本質とは

eyecatch
勉強法

『勉強は基礎が大事』『基礎を徹底しなさい』こういった言葉は学校の先生からも親からも耳にタコができるほど聞いたことがあると思う。この言葉を聞く度に『基礎くらいはできてるよ!』と反発してしまいたくなる。しかし、ある日の定期考査や模擬試験で散々な結果になり、自分が考える基礎と周囲が言う基礎の違いに関して、『基礎とは何なのか』と深く考えたことはないだろうか。

結論、『基礎ができる』とは、単に基礎レベルの問題解法が身について分かっているというレベル感ではなく、その基礎を何も考えなくてスラスラと使いこなせる状態を指す。必死に思案して“道具として”の基礎を使えるレベルでは『基礎ができる』とは言えないのだ。基礎とはたいていの場合、受験レベルでは道具程度の役割であり、基礎レベルの問題がそのまま出題されることは稀である。よって、受験レベルの問題では、道具としての『基礎ができる』ことを前提に出題されるため、道具そのものの使い方に四苦八苦している段階では通用しない。

『基礎ができる』ことを確かめるには、基礎問題ばかりをやっていてもダメで、途中で標準〜受験レベルの問題に取り組む必要がある。というのも、基礎はあくまで基礎(道具)で、1 ランク上の問題に触れることでその使い方を理解でき、さらにこれまではできていると思っていた(思い込んでいた)基礎ができていない事実を知ることができるからだ。したがって、勉強を正しいサイクルで回すには基礎→実戦演習→基礎→実戦演習→…を繰り返すことになる。このようなサイクルを経ると、最初に『基礎ができる』と思っていた目線の高さとは異なる目線の高さで基礎を理解できるようになる。そして、『結局、どんな問題も基礎の集合体』と次第に思えるようになる。高偏差値帯の人が基礎を蔑ろにしない理由はまさにここにある。

このように『基礎ができる』という言葉に対する正しい認識を持つことが受験生には大切で、この考え方にいち早く気が付けるかどうか、そこで合否が決まると言っても過言ではない。英語でも数学でも理科でも何でも、基礎ができる=単に易しい問題が分かる状態と誤解すると、どれだけ勉強しても思ったように学力は上がらないだろう。また、学力が伸びない受験生の学習パターンの一つとして、基礎→実戦演習→実戦演習→実戦演習→…と、基礎の見直しをせずに実戦演習のみを積み重ねるパターンがある。実戦演習を行う度に背景知識を含めて全て満点であるならば話は別であろうが、実際には実戦演習の中で間違った点や疑問点などは必ず出てくるはずで、その際に自分の基礎のどこかに欠落があることを反省し、基礎にさかのぼる手間を惜しまないことが非常に大切である。この正しい学習のサイクルには多大な労力と時間を要するが、結果的には最良かつ最短の学習法なのだ。特に医学部や難関大を志望している人たちは、この正しい学習サイクルを確立しなければ、望むような高 偏差値や高得点には決してたどり着けない。

すでに本格的な受験勉強が始まってから早くも 2 ヶ月が過ぎようとしている。基礎に対す る根本的な考え方を改めて、基礎を徹底し、秋以降の飛躍的な学力向上の原動力にしよう。

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