医学部合格カルテ
    トップ
    プロフィール
    記事一覧
    NEW
    Myカルテ
    お問い合わせ
    プライバシーポリシー

9/10/2021 3:29:00

Case25.国語侮るべからず

eyecatch
教科別

 理系の受験生にとって、国語は鬼門である。国語は一部の理系学生では二次試験でも課されるが、一般的には共通テストのみの試験科目であることが多い。それ故、国語を軽視した結果、共通テストで目標点に届かない、国語のせいで志望校変更なんてことも現実にあるのだ。

 理系の受験生は英数理に全力を注ぐべきだと思う。英数理は共通テストだけでなく、二次試験でも必須のことが多く、全体の点数に占める割合が大きいので全集中で取り組むべきである。一方で国語と社会は英数理に比較すると全体の点数割合はどうしても低くなる場合が多く、結果的に理系受験生はどうしても本気で取り組めないのも仕方がないように思う。

 しかし、国語は共通テストで200点であり、配点の圧縮・傾斜などの問題はあるが実は全く無視できるかと言うとそうではない。数字だけで考えれば、英語、数学IAIIBや理科2科目と全く同等の重みがある教科である。したがって、特に共通テスト比率の高い受験校を受験する場合は、「完捨て」できないのである。

 理系学生の典型的なパターンとして、【英数理逃げ切り型】がある。これは得意な英数理で高得点を取って、国語と社会を犠牲にする得点パターンである。例えば、共通テストで85%を目標とする。もし共通テストの国語と社会が平均点程度しか得点できなかった場合(国語120点、社会65点の場合)、残りの英数理がそれぞれ96.7%を取らなくてはならない計算になる。この得点率は、各科目で1問ミスまでならセーフ、2問ミスでアウトというレベルである。

 感覚的な話だが、自身の経験や周りの医学生たちの話などからも、博打ではなく実力で安定的に96.7%を取るためには、偏差値換算すると各科目70程度は欲しいところである。あくまで「安定的に70」というイメージでいてほしい。極度の緊張の中、場合によっては緊張のあまり夜眠れなかったコンディションの中で臨むことになる共通テストの中で、96.7%をたたき出すことは決して簡単ではない。

 一方で、もし国語で150~160点取れたとしたら、英数理はそれぞれ90.0~91.7%の得点率で良くなる(社会は65点で同じとする)。これは2問ミスまでなら許される点数であり、医学部や難関大を目指す理系受験生なら英数理9割は取るべき点数だから現実味のある数字である。さらに社会が70点以上取れると英数理は8割後半で良くなる。受験生的にはかなり精神的負担を減らせる数字である。

 私自身は国語が大の苦手であったが、古典と評論文に関しては共通テストレベルなら7~8割程度までなら確実に持っていけると考えている。特に古典は覚えるべきものを覚えてしまえばかなり安定的に点数が取れる。中途半端に日本語だと思わずに、英語のような外国語を勉強するような気持ちで、覚えるべきものはさっさと覚えてしまった方が良い。単語と文法が分からなければ英語が読めないのと同じように、古文と漢文もまず覚えるべきものを覚えてしまった方が賢明だと思う。

 最後に繰り返しになってしまうが、理系受験生といえども全体で85%程度の点数を狙わなければならない医学部受験生や難関大受験生ならば、国語はある程度点数を取る必要があるということを念頭においてほしい。夏が終わりこれから秋になるこの時期であれば、今から国語をスタートしても7~8割程度なら取ることは十分に可能である。全体教科の戦略・マネジメントをもう一度ここで見直し、第一関門の共通テストを突破し、最終関門の二次試験に弾みとなるような結果になってほしいと思う。そして春からは笑顔で第一志望のキャンパスライフを楽しんでほしい。

mpsbanner
PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 受験ブログへにほんブログ村 受験ブログ 医学部・医療系受験へ

この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓